犬の膿皮症の危険な症状&原因と対処法




  

犬の膿皮症の危険な症状&原因と対処法

 

 

犬の膿皮症の理由

 

疾患による皮膚バリア機能の低下

内分泌疾患や肝臓病を患っている、アレルギー体質、アトピー、脂漏症、糖尿病、甲状腺機能低下など皮膚に影響を及ぼす疾患が原因で膿皮症を発症する場合があります。ニキビダニやマダニなどの寄生虫疾患が膿皮症の原因になっている場合もあります。

 

膿皮症の原因の多くは、常在菌であるブドウ球菌が主な原因です。健康体であれば悪影響を及ぼすことはありませんが、皮膚のバリア機能の低下や常在菌に対する免疫力の低下により、膿皮症を発症します。

 

年齢と犬種

皮膚が弱い0歳から2歳までの時期や皮膚のバリア機能が衰える高齢犬もかかりやすい病気です。皮膚のバリア機能が正常に働いている健康な皮膚の場合は、膿皮症になることはありません。

 

皮膚のバリア機能の低下や細菌が増殖している環境下で細菌に感染し、膿皮症を発症します。

 

どんな犬種も膿皮症にかかる可能性はありますが、かかりやすい犬種は、ダックスフンド、ゴールデンレトリバー、キャバリア・キングチャールズ・スパニエル、ミニチュア・ピンシャージャーマン・シャパードなどです。

 

シャンプー剤とシャンプー方法

犬の皮膚には、バリア機能が備わっています。皮膚に合わないシャンプーを使用している、シャンプーで皮膚を傷つけてしまっている、過度なシャンプーによる皮膚の乾燥など、誤ったシャンプーの仕方で

 

皮膚のバリア機能を低下させてしまうことがあります。

 

シャンプー剤の洗い流しが不十分、または後の乾燥が不十分な場合、細菌が増殖してしまいます。

 

飼育環境とお手入れ

細菌が増殖しやすい高温多湿の環境で飼育していませんか。屋外室内飼育に関わらず、湿度が多くて高温になりやすい梅雨や夏期は、特に注意が必要です。皮膚の乾燥がバリア機能の低下につながる為、冬期の乾燥にも注意が必要です。

 

被毛の汚れや濡れたまま放置していると、細菌を増殖される原因となります。痒みで掻いた所が傷つき、そこから細菌に感染してしまことがあります。

 

症状・進行の度合い

主な症状は、赤い発疹や脱毛、膿疱、かさぶたが、顔や腋、股、指の間などに現れることが多いです。細菌の感染が深部に及んだ場合は、腫れや痛み、発熱が見られることがあります。脱毛やかさぶたは、症状が進行している現象です。

 

膿皮症は、表面性膿皮症(膿痂疹)、浅在性膿皮症、深在性膿皮症と3段階の感染度合いに分類されます。表面性膿皮症(膿痂疹)は、皮膚の表面のみに感染している状態で、丘疹と呼ばれるニキビのような小さな膿が見られます。

 

その色は、皮膚の色か膿が貯まった薄い黄色です。浅在性膿皮症は、細菌の侵入が少し深く、毛の根元の角質層や毛の根本間に広がっています。表面性膿皮症の症状の他、小さな丘疹がはじけた赤くて丸い病変や脱毛が見られます。

 

深在性膿皮症は、細菌の侵入が真皮と呼ばれる深層部にまでおよびます。痒みもひどく、かさぶたができ出血することで、皮膚が部分的に厚くなることもあります。

 

皮膚だけでなく、発熱や食欲不振、元気がない、食べていても痩せてくるなど体全体に影響を及ぼすことにつながります。

 

 

犬の膿皮症の症状

 

放置が症状を悪化させる

膿皮症とは、もともと皮膚に常在しているブドウ球菌などの細菌が、

 

皮膚に感染することによって起こる化膿性の皮膚病です。

 

細菌の種類や感染の度合いにより症状が異なり、軽度の場合は自然に治ることもありますが、適切な治療を行わないと悪化してしまうことがあります。最初は赤い発疹や表面が小さく化膿しているのが、膿疱やかさぶた、脱毛、痒みなど症状が進行していきます。

 

原因究明と再発防止

一過性の場合は、抗生剤やシャンプーなどの治療で治りますが、皮膚本来のコンデションが改善されない場合は、再発を繰り返すことになりかねません。日頃のお手入れや飼育環境を改善し、健康な皮膚の状態を保つことが必要です。

 

膿皮症の検査は、発疹や膿、被毛などから細菌を検出される菌の分析と診断によって行われます。他の疾患が原因となっている場合もある為、膿皮症の診断はついても、

 

その原因を突き詰めることは容易ではありません

 

血液検査や制度の高い皮膚病理検査が必要となる場合もあります。

 

 

犬の膿皮症の解決方法

 

基礎疾患の治療

内分泌疾患や肝臓病を患っている、アレルギー体質、アトピー、脂漏症、糖尿病、甲状腺機能低下など皮膚に影響を及ぼす疾患がある場合、先にその疾患の治療が必要です。

 

抗生物質の投与・塗り薬

原因となっている細菌の種類に適した抗生物質の投薬治療が一般的です。細菌に合った抗生物質でないと効果がありません。短期間の投薬治療では、再発することが多い為、投薬治療の期間は2週間以上を要します。

 

軽度の場合は、塗り薬の塗布で改善する場合があります。

 

薬用シャンプーによる洗浄と患部ケア

抗菌作用のある薬用シャンプーで、古い皮膚やフケを落し、皮膚を清潔にします。また、薬剤を混ぜたお湯に患部を浸す薬浴を行う場合もあり、痒みや痛みを和らげる効果があります。

 

※膿皮症の症状によってはシャンプー禁止する治療方法もあります。

 

患部の膿が落ち着くと、白っぽいフケのようなものが出始めます。コットンなどでやさしく取り除いて清潔にして下さい。無理せずできる範囲で炎症を引き起こさないよう注意して下さい。スキンウォーターなどのケア用品の使用も効果的です。

 

免疫を高める食事とサプリメント

皮膚本来のバリア機能を回復させる方法として、食事やサプリメントなどでビタミン・ミネラル・脂肪酸の補充が効果的です。皮膚本来のバリア機能が回復すれば、再発防止につながります。

 

自宅でできる予防対策

飼育環境の温度や湿度をエアコンなどで調整しましょう。毛の長い犬種の場合、夏の間は被毛を短くカットすることもおすすめです。全身をブラッシングして、皮膚の風通しを良くすることも効果的です。

 

食事で汚れやすい口の周りや尿で汚れやすい下腹部、分泌物などで汚れやすい陰部周りや内股は、特に清潔にして下さい。食後や散歩の後、排泄後は綺麗に拭いてあげましょう。

 

雨に濡れた後やシャンプー後は十分に乾かしましょう。濡れたまま放置しないで下さい。栄養不足によっても皮膚のバリア機能が低下する為、食事・栄養に気をつけて下さい。体の免疫低下に影響を及ぼす腸内環境を整える食事療法やサプルメントも有効です。


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